2020年 開催報告

  • 和歌山会場
  • わかやま林業体感セミナー
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日 時
2020年12月5日(土)
13時30分~16時30分
会 場
和歌山県農林大学校林業研修部
和歌山県西牟婁郡上富田町生馬1504-1
講師・ゲスト
  • 眞砂 佳明 氏
    龍神村森林組合 代表理事組合長
  • 千井 芳孝 氏
    和歌山県農林大学校 林業研修部 講師
  • 赤木 麻耶 氏
    株式会社中川

※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、参加者に検温やアルコール消毒、マスク着用をお願いする、座席間の距離を確保するなどの対策を行った。

開会挨拶

和歌山県林業振興課林業担い手班の大澤一岳主任が開会の挨拶を述べ、本事業について説明しました。

  • 開会挨拶

講義「わかやまの森林と林業」

林業の仕事や和歌山林業の特徴について、大澤主任が講義しました。森林の種類、和歌山県の森林(資源)や木材生産の特徴、森林利用の歴史、伐倒・伐採・集材といった林業の仕事の流れ、和歌山県の最先端林業機械などを、図や写真を豊富に示しながら分かりやすく解説しました。

  • 講義「わかやまの森林と林業」
  • 講義「わかやまの森林と林業」

和歌山県農林大学校の紹介

和歌山県農林大学校の中谷崇人技師が、同校の設置目的や教育内容、取得できる資格、入校する方法について説明しました。

  • 和歌山県農林大学校の紹介

林業就業に向けた支援内容紹介

わかやま林業労働力確保支援センターの大塚所長が、林業就業希望者の支援について説明しました。林業体験や資格取得、事業体での現場体験など和歌山県独自の研修制度が用意されていることを紹介し、手厚いサポート体制が整っていることを説明しました。また、就職までの一連の支援の流れもわかりやすく解説しました。

  • 林業就業に向けた支援内容紹介

チェンソー体験

千井氏、中谷技師、大澤主任を中心に、講師やゲストの指導・監督のもと、参加者のチェンソー体験を行いました。チェンソーの使用方法や防具の装着方法の解説のあと、立木を再現した丸太や様々な山の傾斜を再現できる伐倒練習機などを使用して体験を行いました。

  • チェンソー体験
  • チェンソー体験

林業従事者とのトークセッション

龍神村森林組合の代表理事組合長を務める眞砂氏、林業従事者であり農林大学校の講師でもある千井氏、林業に就業したばかりで女性の赤木氏をゲストに迎え、仕事の魅力や苦労、安全面、また移住生活などについて話を聞きました。また、参加者から、農林大学校の生徒の年齢層や授業内容、林業従事者に求められる資格やキャリア、日常生活など数多くの質問が寄せられ、ゲストや農林大学校の中谷氏、わかやま林業労働力確保支援センターの大塚氏、県の大澤氏らが丁寧に答えました。

ゲストの発言要旨(一部)

赤木氏
  • 地元のレジャー企業を退職したタイミングで創業者と出会って今の会社に誘われた。林業については何も知らないし、山にも興味がなかったが、それでもできる仕事と聞いて始めてみた。
  • 勤務時間をある程度自由に設定できるため、自分の時間を持つことができてよい。
  • 野外で仕事をするので、トイレなど女性特有の大変さがあると思う。
  • 余暇には、温泉巡りをするという人も多いと聞く。自分は、ランチやドライブに行くことがある。
千井氏
  • 当初は林業がしたいという気持ちはなく、田舎暮らしがしたかった。その中でたまたま選んだ仕事が、林業だった。
  • 林業は、色々な場所にいけることが面白い。一つのところの作業が終われば、次の場所に行く。
  • 辛かったことは、それまでやっていたサラリーマンとは考え方が違ったこと。また、自分が働き始めた頃には道具は全て自前で購入しなければならなかった。現在では、道具類の多くは会社や組合の支給である。体力面も辛さはあったが、働いているうちに慣れる。
  • 安全面では、昔は安全具を全くつけないで作業することが多かったが、近年は意識がかなり高まってきている。「緑の雇用」制度により、異業種からの就業者が増えたことがきっかけで意識が変わり始めたと感じる。また、安全具のデザイン面についても、海外のデザイン性の高いものがSNSで紹介されるなどしてここ10年程で急激に変化している。モンベルのようなアウトドアメーカーも林業者向けの商品を開発・販売している。
  • 未経験者が一人前になるまでの目安時間は、季節によって行う作業が変わることもあり、数年くらい。
  • 移住、就業する前にしっかりとビジョンを持つと良い。辛いことに出くわし、心が折れて地元へ帰ってしまう移住者をたくさん見てきた。自分自身は、何故田舎暮らしなのか、何故林業なのかということについて明確なビジョンを持つことで、心が折れそうなることもあったが、今に至っている。
眞砂氏
  • 家が山を所有していて、子供の頃から家業を継ぐものだと思って育った。
  • 仕事をしていると、100年や150年の歴史があると思われる長年人が手入れをしてきた良い山に出会うことがある。林業は期間の長い仕事で、そうした何年も前の人が植え、何回も手入れがされたということが感じられる山をみると良い気持ちになる。
  • (組合長という立場として)辛い時は、木材価格の低迷や労災事故が起きた時である。
  • 地域外の個人のスポット仕事はあまりない。伐倒を伴う仕事は長年その地域に携わっている経験者や地元の知り合いが任されることがほとんど。ただし、(株)中川のような植林を中心とした仕事であれば多くの人ができる可能性があるのではないかと感じる。
  • 森林組合は、林業全般の仕事を行うが、人ごとに担う作業は異なる。多くの作業内容の経験を積んできた班長クラスでも得意領域はそれぞれである。
  • 余暇の過ごし方は、海釣りや川であゆ・あまご釣りをして過ごしている。山の人にも意外と釣り好きが多い。
  • 子供のころから山に接してきたが、今でも林業は楽しいと感じる。100年前の人がやってくれたことを感じ、自分がやったことが100年後につながるというロマンがある。
  • 龍神村森林組合では、Iターン者もいる。地元に帰ってしまった人もいれば、自分が若い頃からずっと一緒に働いていてベテランになった人もいる。ビジョンを持つことは重要だし、一方で、めぐり合わせもあるので難しく考えすぎないことも必要だと思う。
  • 林業従事者とのトークセッション
  • 林業従事者とのトークセッション

閉会の挨拶

和歌山県の大澤主任が閉会の挨拶をしました。

  • 閉会の挨拶

会場設営

会の実施中、和歌山県での林業従事者を紹介するパネルや、林業現場で使用する重機などを展示しました。

  • 会場設営
  • 会場設営

個別相談

会の終了後、希望者に限ってゲストや各機関の担当者に相談・質問する時間を設けました。

  • 個別相談
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